代表選動き活発化、乱戦模様

菅直人首相の後継を決める民主党代表選に向け、党内の各グループは18日、相次いで会合を開き、動きを活発化させた。海江田万里経済産業相が出馬する意向を固め、代表選には6人の名が挙がっており、乱戦模様を深めている。

【民主代表選】海江田氏も出馬の意向 鹿野農相は推薦人確保

 「あまりにも来年の景気が悪そうだったら、増税なんてできない」−−野田佳彦財務相は18日、千葉市であった講演で、復興増税の時期について「先送り」をちらつかせた。同日午前の前原誠司前外相のグループ会合で、野田氏の「増税色」への不満が出たことへのメッセージだった。

 野田グループは約20人。枝野幸男官房長官、仙谷由人官房副長官ら約40人を擁する前原氏のグループの支援なしには戦えない。野田氏は講演で小沢一郎元代表について「けうな存在だ。すごい力量のある方だ」と持ち上げたが、小沢グループや中間派には増税路線に抵抗が強い。前原グループが一致して支援することが勝利の必須条件になる。

 一方、中間派の有力候補と目される鹿野道彦農相は18日、視察先の岩手県宮古市で記者団に対し、「代表選のことは今日の段階で言及するところには至っていない」と述べるにとどめた。記者団に具体的な政策を重ねて問われても「今は控えさせてほしい」と答えを避けた。

 鹿野氏は特定のグループには属していない。明確な党内基盤がない以上、極力色がつくのを避け党内の中間派を集める。最後に党内最大勢力の小沢グループが乗ってくれば拒まないという戦略だ。

 馬淵澄夫前国土交通相は当選3回という、代表選出馬としての「異例さ」を生かし、若手を狙う。メディアへの露出を積極的に展開しており、16日はテレビ番組二つをはしごし、18日もインターネット番組に出演した。

 小沢鋭仁元環境相は18日のグループ会合で、「復興増税には反対だ。大連立もその前にいろいろなやり方もある」と述べた。小沢元代表との面会を求めており、支援を期待する。

 民主党の小沢元代表、輿石東参院議員会長、石井一副代表と国民新党の亀井静香代表らは18日夜、東京都内で会談し、意見を交わした。【須藤孝】

 ◇前原氏、結論先送り

 民主党の前原誠司前外相は18日夜、菅直人首相の後継を決める党代表選を巡り、東京都内のホテルで自らのグループ幹部約20人と対応を協議した。前原氏は会合で「よく考える」と述べ、結論を先送りした。会合後、記者団にも「熟考中だ。(代表選について)白紙は変わっていない」と述べるにとどめた。

 会合には枝野幸男官房長官や仙谷由人官房副長官(党代表代行)、福山哲郎官房副長官らが参加。代表選の焦点となっている前原氏の出馬について、出席者から賛否両論が出たため、仙谷氏が「前原氏の判断を待とう」と引き取った。

 前原氏が出馬に慎重なのは来年9月の党代表選を見据え、「次の次」で本格政権を目指すという戦略があるからだ。ただし、次期首相が衆院解散・総選挙に追い込まれた場合、民主党政権が続く保証はない。前原グループが18日午前、東京都内のホテルで開いた会合でも「次期首相で選挙に臨む可能性があり、今回の代表選の対応が極めて大事だ」という主戦論が出た。

 代表選への対応が定まらない前原氏の対応に、グループの中堅・若手はいら立ちを募らせている。前原氏は野田氏を支援する方向で検討してきたが、野田氏の「増税」路線に対する抵抗感は根強い。会合では、新人衆院議員から「増税の人をグループで推すなら、自主投票にしてもらいたい」との注文が出た。

 前原グループがそろって野田氏支持でまとまるのは困難な情勢。前原氏が出馬しなければ自主投票に追い込まれ、自身の求心力も低下する可能性もある。【野口武則】